COLUMN
肌にも環境にもやさしい日焼け止めとは?
紫外線が肌に与える影響とは? *1 *2 *3
紫外線の中でも波長の長い順にUV-A・UV-B・UV-Cの3つ分かれており、地上に届くのはUV-AとUV-Bの2つです。
UV-A
UV-B
紫外線は肌に悪いものというイメージが強いかもしれませんが、私たちの身体に必要なものでもあります。まずは、紫外線が肌に与える影響について詳しく見てみましょう。
紫外線のメリット
私たちの肌にUV-Bが当たると、肌に存在する7-デヒドロコレステロールからビタミンDが作られるようになります。ビタミンD は食事から摂ることもできますが、不足しがちな栄養素の一つでもあります。紫外線を浴びることで食事では不足しがちなビタミンDを作り出すことができるのです。
ビタミンDはカルシウムとともに骨を作るための大切な栄養素であり、極端に紫外線を浴びずに過ごすと骨が弱くなる病気を引き起こす可能性があります。
紫外線のデメリット
さらに、UV-Bは細胞の中にあるDNAにダメージを与え、UV-Aは活性酸素を作り出します。その結果、肌の弾力をキープするコラーゲンが破壊されてしわやたるみができやすくなり、将来的に皮膚がんを発症するリスクも高くなることが分かっています。
紫外線吸収剤と散乱剤の違いとは?
紫外線吸収剤とは?
紫外線散乱剤とは?
紫外線吸収剤がサンゴ礁に与える影響とは?*4
紫外線吸収剤には、オキシベンゾンやオクチノキサートなど自然界にとって有害な成分が含まれています。2008年には、世界中の観光地で生じているサンゴの死滅は海に溶けだした紫外線吸収剤の影響であるとの見解が発表され、2015年にはオキシベンゾンやオクチノキサートがサンゴのDNAを傷つけるとの研究結果が示されました。
このような流れの中、2018年にはハワイ州でオキシベンゾンなどの成分が含まれる日焼け止めの販売を禁止する法律ができ、現在ではパラオ、フロリダのキーウエスト、ボネール島、メキシコの自然保護区域などでも同様に使用が禁止されています。
サステナブルな日焼け止めの選び方とは?
日焼け止めを選ぶときは、ご自身の肌だけでなく環境のことも考えた商品を選ぶとよいでしょう。
さらに、界面活性剤が含まれていないものもおすすめです。界面活性剤は長時間肌に塗った状態にすると肌のバリア機能を損なわせてしまうことがあります。バリア機能が低下した肌は紫外線の刺激も受けやすくなりますので、注意が必要です。
また、最近では肌にやさしい美容成分がたくさん含まれた日焼け止めも販売されており、日焼け止め効果と一緒に肌のお悩みも改善する効果が期待できます。ご自身のお悩みに合ったものを試してみましょう。
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*1日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「Q1地上にいる我々はどんな紫外線を浴びているのですか?」
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*2日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「紫外線は身体にどんな影響を与えますか?」
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*3日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「Q3UVBとUVAはどう違いますか?」
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*4Environ Health Perspect. 2008 Apr; 116(4): 441–447.「Sunscreens Cause Coral Bleaching by Promoting Viral Infections」
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2291018/#b23-ehp0116-000441/