COLUMN

2021.10.29

話題のハーブ、ツボクサとは?

ツボクサのイメージ画像
近年日本でも注目され始めたツボクサ。
天然ハーブのひとつで日本をはじめとした世界各地で広く分布しており、「最も重要な若返りのハーブ」とも言われ世界各地で重宝されており、ハーブ医療や民間療法のアーユルヴェーダでも使用されています。
今回は、この話題となっているツボクサの特徴や効果・効能について医師が詳しく解説します。

【コラム執筆】

成田亜希子医師
東京都出身、弘前大学医学部卒。青森県弘前市在住の医師。
国立医療科学院や結核研究所で研修を積み、保健所勤務経験から感染症、医療行政に詳しい。
日本内科学会、日本公衆衛生学会、日本感染症学会、日本結核病学会、日本健康教育学会所属。

コラム以外の商品などの掲載箇所については執筆しておりません

ツボクサってどんな植物なの? *1 *2 *3 *4

ツボクサは、インドやベトナムなどの東南アジア原産のハーブであり、日本では関東より南の地域に広く分布する植物です。セリ科の植物に分類され、地面を這うように広がって成長していくのが特徴です。葉の大きさは2〜4㎝ほどで、ヒトの腎臓や脳の形に似ているとされています。
なお、「ツボクサ」とは和名を「壺草」とされ、庭(壺)に生えている草を意味しています。日本では一般的な野草として目にする機会も多いツボクサですが、世界的には「ゴツコラ」や「ゴッコラ」など多様な呼び方で呼ばれています。
WHO(世界保健機構)が「21世紀の驚異的薬草」「保護すべき薬用植物の中でもっとも重要なものの一つ」*5として認めたことも話題となりました。
また、野生のトラがケガを治す際にツボクサに体を擦り付けたという逸話から「タイガーハーブ」とも呼ばれています。

ツボクサにはどんな言い伝えや伝説があるの?

ハーブイメージ画像
ツボクサは古くから世界中でハーブ医療や民間療法のアーユルヴェーダに用いられてきたハーブです。
東洋医学では、ヒトの臓器の形に似た植物はその臓器の病気を回復させるとする「似類補類(にるいほるい)」という教えがあります。
上述したように、ツボクサはヒトの脳や腎臓の形に似ていることから、例えば中国では尿を出しやすくするお薬、インドでは認知機能を改善させるお薬として使用されてきました。
その他にもツボクサには、痛みを和らげる効果や解毒・抗菌効果などがあるとされており様々な国で使用されています。

ツボクサ抽出エキスにはどんな効果があるの?

ツボクサの葉や茎から抽出したエキスには、肌自活力を高め、お肌にハリやツヤを与え、健やかな肌本来の美しさに導く効果があるとされています。
そのため、ハーブ医療と民間療法のアーユルヴェーダの世界で広く活用されてきました。近年では、多くの研究によって古来より信じられてきたツボクサの効果・効能が科学的に証明されて始めていますがまだまだ解明されていないことも多いのも事実です。

ツボクサ抽出エキスの主成分はアジアチコシド・マデカッソシド・アジア酸・マデカッソ酸です。
それぞれ以下の作用が知られています。
・アジアチコシド・・・抗酸化作用及び創傷治癒作用
・アジア酸・マデカッソ酸・・・創傷治癒作用
そのため、皮膚の創傷、火傷などの軟膏製剤に用いられてきたとされています。

I型コラーゲン再生促進による作用 *6 *7

美容イメージ
ツボクサ抽出エキスには皮膚のコラーゲンの産生を促す効果があるとされています。
コラーゲンはタンパク質の一つですが、いくつかの種類があり、その中でもⅠ型コラーゲン皮膚や骨に最も多く存在します。肌のダメージを修復して弾力性を維持するにはⅠ型コラーゲンが不可欠で、肌を根底から支える働きがあります。
アジアチコシド、アジア酸、マデカッソ酸はいずれもⅠ型コラーゲンを生成する作用が高い成分として知られています。
また、ツボクサ抽出エキスには、肌のバリア機能をキープするのに必要なセラミドを分解する「セラミダーゼ」の働きを抑制する効果もあるとされています。セラミダーゼは紫外線などの刺激を受けることで活性化するため、知らず知らずのうちにダメージを受けた肌を守って水分の維持を助けてくれるうれしい効果も期待できます。

色素沈着抑制作用

ツボクサ抽出エキスにはシミの元となるメラニンの生成を抑制する効果があることも知られています。
ツボクサ抽出エキスとビタミンC誘導体の一種であるリン酸アスコルビルMgを一緒に使用することでメラニンの生成を抑制に対する相乗効果があることが最近の研究で分かってきました。

このように、ツボクサは昔からハーブ医療の世界で広く活用されてきた歴史があります。研究を重ねることで、古来より信じられてきたツボクサの効果・効能は医学的に妥当であることも証明されつつあるのが現状です。
特にコラーゲンの産生、水分保持のサポート、メラニンの産生抑制など肌のエイジングケア効果が高いことが注目されております。

ツボクサが気になった方は、日本ではツボクサの状態では入手しづらいですがベトナムでは青汁のようにジュースにしたり、炒めものの食材として使用されています。もし、手に入れることができた際は試してみてはいかがでしょうか。
また、手軽にお試しいただきたい方はハーブティーや国産CICA配合コスメを探してみるのもおすすめです。

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