COLUMN

2022.01.21

マスク生活による肌の変化と影響とは?

マスクによる肌荒れについてイメージ画像
どこに行くにもマスクの着用が必須となっているコロナ禍。長時間のマスク着用は肌に余計な負担がかかり肌トラブルに悩まされる方も増えています。
今回は、マスクによる肌荒れについて詳しく解説し、おすすめのスキンケア方法などをご紹介します。

【コラム執筆】

成田亜希子医師
東京都出身、弘前大学医学部卒。青森県弘前市在住の医師。
国立医療科学院や結核研究所で研修を積み、保健所勤務経験から感染症、医療行政に詳しい。
日本内科学会、日本公衆衛生学会、日本感染症学会、日本結核病学会、日本健康教育学会所属。

コラム以外の商品などの掲載箇所については執筆しておりません

肌荒れはなぜ起きる?

長時間マスクを着用すると、なぜ肌荒れが起こるのでしょうか。

肌本来の機能について*1

肌層イメージ画像
私たちの肌は、大きくは「角質層」「真皮」「皮下組織」という3つの層が積み重なってできています。
外気に触れる部分の角質層の最も重要な働きが肌のバリア機能です。つまり、角質層は空気の乾燥や摩擦などの外的刺激から肌を守る働きを担っています。また、肌の内部には水分が多く含まれていますが、角質層は肌内部の水分が蒸発するのを防いで肌の乾燥を抑える働きもあります。

また、肌は約28日サイクルで新しい肌に生まれ変わっています。これを「肌のターンオーバー」と呼びます。ターンオーバーが崩れないように整えることも、角質層を理想的な状態にキープするためには必要です。
ターンオーバーは、マスクによる摩擦や肌の乾燥だけではなく、寝不足や無理なダイエット、ストレスが原因でも乱れがちです。
ストレスや睡眠不足などを改善するように、生活習慣を整えたりリフレッシュする方法を見つけるようにしましょう。

マスク荒れの原因は?

長時間マスクの硬い繊維が肌に触れることで摩擦が生じ角質層にダメージが加わることになります。ダメージが加わることで角質層の構造が乱れバリア機能が低下していきます。その結果、外部からの刺激を受けやすくなり、内部の水分はどんどん蒸発して乾燥肌や敏感肌の原因となります。
また、マスクの中は息で蒸れるため肌の雑菌が繁殖しやすい状態になります。マスク荒れによる乾燥で皮脂の分泌が増えることも相まって、ニキビや吹き出物などの肌トラブルが起こるとされています。

肌荒れしたときの対処法は?

では、マスクによる肌荒れに悩まされたときはどのような対処をすればよいのでしょうか?おすすめの対処法をご紹介します。

肌の乾燥

摩擦により角質層の構造が乱れ内部の水分が失われていくことが原因のため乾燥を改善することが重要です。
保湿効果の高い化粧水で肌の内部に水分を補給し、乳液やクリームなどでしっかりパッキングするようにしましょう。
また、乾燥がひどいときはダメージを受けた角質層の状態が落ち着くまで不織布などの硬い繊維でできたマスクではなく、肌に優しいコットン素材のものを使用するのもおすすめです。マスクをする前に摩擦が起こりやすい部分にクリームなどを塗るのもよいでしょう。

ニキビや吹き出物

マスクの内部が蒸れることなどが原因で引き起こされます。症状を改善するためには、肌を清潔に保つことが大切です。帰宅してマスクを外したら、丁寧に洗顔するようにしましょう。また、外出先でも人が少ない場所でこまめにマスクを外したりずらしたりするなど、「換気」を意識して行うとよいです。
ニキビや吹き出物が出やすい方は、蒸れやすい布製マスクより不織布マスクを選ぶのもポイントです。

肌荒れを繰り返さないためには…

最後に、マスクによる肌荒れを繰り返さないために注意すべきことを見てみましょう。

日常的にできるおすすめのスキンケア

マスクによる肌荒れの根本的な原因は、摩擦などによる角質層へのダメージです。そのため、日頃から角質層を整えることを意識しながらスキンケアを行いましょう。
肌質別のおすすめスキンケアをご紹介します。

・敏感肌/乾燥肌
敏感肌や乾燥肌の方は元々角質層の機能が低下しがちなため、角質層のケアを徹底しましょう。
ゴワつきやザラつきは角質層が乱れている証拠です。保湿効果のあるクリームでパックなど週1〜2回を目安にスペシャルケアがおすすめです。

・脂性肌
 脂性肌は肌が乾燥しがちな方に見られます。肌の乾燥を補うために余分な皮脂の分泌が促され、べたつきやすくなるのです。脂性肌の方はマスクによるニキビや吹き出物ができやすくなります。トラブルを予防するには、日頃からディープクレンジングなども含めた洗顔を行って肌を清潔に保つことが必要です。また、洗顔後は化粧水で十分な水分を補給して、乳液やクリームなどを重ねて蒸発を防ぎましょう。

肌に負担をかけない商品の選択

肌ケアイメージ画像
マスクによる肌荒れを予防するには、保湿と清潔を心がけましょう。しかし、単に保湿効果や洗浄力の高いアイテムを選べばよいというわけではありません。角質層の構造が乱れていると、肌の内部に刺激が伝わりやすい状態になります。肌に負担をかけないように、ご自身の肌の変化と向き合いながら界面活性剤が入っていない商品や天然の植物由来成分配合の商品を選ぶのもおすすめです。

コロナ禍のマスク生活では、摩擦や蒸れなどで肌荒れに悩まされる方がたくさんいます。しかし、保湿や清潔を徹底したスキンケアを行うことでマスクによる肌荒れを防ぐことができます。
今回ご紹介したスキンケアや対処法を参考に、コロナ禍特有の肌のお悩みを解決していきましょう。

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